高流量システムとは患者が必要とする1回換気量を超えるガスを供給することができるシステムのことです。

酸素濃度を一定に保つ必要のある、Ⅱ型呼吸不全の患者さんや、重度の低酸素症で多量の酸素を流す必要のある患者さんに使用されます。

「ベンチュリーマスク」「ベンチュリーネブライザー(インスピロン®)」「ハイフローセラピー」などがあり、ここではそれぞれの概要と特徴を見ていきます。

酸素療法の基本については「酸素療法ってなに?」をご覧ください。

目次

ベンチュリーマスク

ベンチュリ―マスクは、ダイリューター(※1)で酸素と空気を混ぜることによって高流量(30L/分以上)のガスを患者に届けることができます

なぜ、高流量(30L/分以上)のガスを届ける必要があるのかは、「酸素療法ってなに?」に書いてあるので、そちらを見てください。

ベンチュリ―効果

酸素をより細い管に流すことにより、ジェット気流が生まれます。ジェット気流の周りは陰圧となるため、周りの空気を取り込み、酸素と空気を混ぜることができます。これをベンチュリ―効果と呼びます。

ベンチュリ―(ダイリューター※1)の構造

また、酸素流量やダイリューター(※1)の選択によって、酸素と空気の量を調整することができます。任意の酸素濃度を選択できるのが、ベンチューリマスクの一番の特徴です。酸素濃度を一定に保つ必要のある、Ⅱ型呼吸不全の患者さんに向いているといえます。

※ダイリューターとカバー

ダイリューターの色ごとに、空気を取り込む量が異なります。そのためダイリューターの色を選択することで、酸素濃度を変えることができます。

ダイリューターの色最適流量設定濃度
青   2L/分24%
黄   3L/分28%
白   4L/分31%
緑   6L/分35%
赤   8L/分40%
橙   12L/分50%

色ごとに定められている最適酸素流量を守らなければ、正しい酸素濃度を高流量で流すことができないので注意が必要です。

ベンチューリマスクをよく扱う病棟ならいいのですが、たまにしか使用しない場合、上記の表を覚えるのは大変ですよね…(私も自信ありません)

が、安心してください!ダイリューターの底面には、設定酸素濃度と最適酸素流量が書いてあるので、それを見て選択出来れば丈夫です。(学生さんの場合、テスト対策で覚えなきゃならんのでしょうが…ガンバって!!)

組み立て方法は書いていないので、覚える必要があります。

(5歳児の落書きみたいですみません)
ベンチューリマスク組み立て完成写真

ダイリューターカバーは、ダイリューターの空気穴がふさがれないようにするためのカバーです。

ベンチュリ―ネブライザー (インスピロン®

ネブライザー付きベンチューリマスク(インスピロン®)とも呼ばれます。ネブライザーとは液体を霧化して吸入させるための機器のことです。つまり、ベンチュリ―ネブライザーはベンチューリマスクに加湿機能が付いた機器です。(ヒータ付きで加温できるものもあります。)

ベンチュリ―ネブライザー(インスピロン®)の酸素濃度を設定するためには、①酸素流量計②酸素濃度ダイヤルを調整し、③患者へ供給されるガスが30L/分以上になるように設定することが重要です。

ベンチュリ―ネブライザー(インスピロン®)を勉強するとき、よく下記のような表を目にすると思います。

これは、①酸素流量計②酸素濃度ダイヤルを調整した時の、③患者へ供給されるガスの目安を現した表です。

ベンチュリーネブライザー目安表

ここで注意していただきたいのが③患者へ供給されるガスが30L/分以上(表のオレンジ)になるように設定しなければならないことです。

成人男性は1分間に30Lの空気を吸うとされていますから、③患者へ供給されるガスは30L/分以上に設定しなければなりません。もしも、③患者へ供給されるガスが30L/分未満の場合、足りない分は病室の空気を吸ってしまうこととのなり、せっかく酸素濃度を調整しても、意味がなくなってしまうからです。

仮に、酸素流量を最大の15L/分、酸素濃度を98%に設定した場合、患者さんに濃くて多くの酸素が届けられそうな感じがします。しかし表を見ると患者へ供給されるガスは15L/分しかありません。足りない分は病室の空気を吸わせていることになるので、患者さんの吸気量によって酸素濃度が変化してしまい、正確な酸素投与が出来ないことがわかると思います。

(患者さんの年齢や体格によって、吸気量は異なります。重要なのは、患者さんの吸気量を超えるガスを提供することです。一般的に成人男性が最も多く空気を吸いますから、30L/分を目安としています。)

上の表からもわかるように、ベンチュリ―ネブライザーでは60%程度の酸素しか、供給できません。重度の低酸素症で多量の酸素を流す必要のある患者さんには使えませんよね。そこて登場するのが、ハイフローセラピーです。

ハイフローセラピー

ハイフローセラピー(HFNC)はネーザルハイフローや高流量鼻カニューラとも呼ばれています。

ハイフローセラピー

その名の通り、流量は60L/分までと高流量まで設定でき、酸素濃度も21%~100%まで設定可能です。さらに、加湿・加温機能も備えています

重度のⅠ型呼吸不全や術後呼吸不全・抜管後呼吸不全の患者さんに使用されます。加湿目的で使用することも可能です。

しかし、重度のⅡ型呼吸不全患者(CO2が貯留しやすい)に使用した場合増悪することもあるため注意が必要です。

先端は鼻カニューラを使用するため、会話や飲食もできるという利点もあります。

加湿・加温機能はついていますが、超高流量(60L/分)まで設定できるため、粘膜の損傷・乾燥にも気を付けなければなりません。また、口呼吸の人にはむいていません。

ハイフローセラピーの回路は、「酸素・空気配管」→「酸素ブレンダー」→「加温・加湿器」→「蛇管ホース」→「鼻カニューラ」となっています。

ハイフローセラピー回路

ハイフローセラピーの設定は、ガス流量・酸素濃度・加温温度の3つが重要です。

ガス流量と酸素濃度は酸素ブレンダーのダイヤルで設定できます。温度は加温・加湿器で設定できます。

まとめ

高流量システムには、それぞれ特徴があることがわかっていただけたと思います。低流量システムについては、「低流量システム(酸素カニューレ、酸素マスク、オキシマスク)とは」に書いてありますので、そちらをご覧ください。

Categories:

Tags:

2 Responses

  1. My brother recommended I might like this blog.
    He was totally right. This post truly made my day. You can not imagine just how much time I
    had spent for this info! Thanks!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトについて

看護マンでは、看護師や看護学生、看護に興味のある方たちに役立つ情報を発信していきます。