低流量システムとは患者が必要とする1回換気量を超えるガスを供給できないシステムのことです。
重症な低酸素症やCOPD以外の患者で、酸素療法を始める場合に、低流量システムを使用します。
「酸素カニューレ」「酸素マスク」「オキシマスク」などがあります。ここではそれぞれの特徴と使用流量のめやすを見ていきます。
酸素療法については「酸素療法ってなに?」をご覧ください。
目次
酸素カニューレ

(経鼻)酸素カニューレの特徴は以下の通りです。
- 鼻に付けて使用するため、会話や飲食をすることが出来る
- 簡単に使用でき、患者への負担が少ない
酸素カニューレは1~5L/分の流量で使用できます。6L/分以上だと、鼻腔粘膜の乾燥や頭痛の危険性があるため、使用できません。

看護の視点
酸素カニューレは簡単に装着できますが、簡単にズレてしまうので注意が必要です。また、呼吸状態の観察も重要ですが、皮膚トラブル(特に耳裏、鼻周囲)が無いかの観察も重要です。
酸素マスク

酸素マスクの特徴は以下の通りです。
- 簡単に装着できるが、圧迫感を感じる場合もある
- 装着したままの飲食は出来ず、会話もしにくくなる
酸素マスクは5~8L/分の流量で使用できます。酸素流量が5L/分以下だと、患者自身の呼気を再吸入してしまうことになるため、使用できません。
オキシマスク

オキシマスクは酸素マスクと同様に、マスク型の機器ですが、大きな穴が開いています。
- 簡単に装着できるが、酸素カニューレと比べると圧迫感がある
- 大きな穴があるため、オキシマスクを装着したままでも、ストローを使用すれば飲水できる
- マスクの両サイドの隙間により、呼気の再吸入を防ぐことが出来る
という特徴があります。
オキシマスクは 呼気の再吸入を防ぐことが出来るため、酸素流量1~15L/分で使用することが出来ます。
まとめ
低酸素システムの特徴についてわかっていただけたかと思います。しかし、低酸素システムでは、酸素濃度の設定は出来ません。酸素濃度の設定が必要な場合や、より高流量のガスを流さなければならない場合は、高流量システムを使用することとなります。高流量システムについては「高流量システム(ベンチューリマスク、ベンチュリ―ネブライザー、ハイフローセラピー)とは」をご覧ください。

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