酸素療法とは、低酸素症や術後の患者さんなどに適量の酸素を投与する治療法のことです。

目次

呼吸のキホン

呼吸は人が生きていくうえで欠かすことの出来ない行為ですが、そもそも呼吸とは何でしょうか?生理学的には空気中から酸素を取り込み、細胞の代謝によって生まれた二酸化炭素を排出することを呼吸と呼びます。

病気や外傷などによりこの呼吸が阻害された時、酸素をうまく取り込むことが出来ないため、酸素療法が必要になってくるのです。

「酸素2Ⅼで…」の指示を詳しく

病院で「酸素を2Lで流して」と言っていたら、「酸素を1分間に2L流して」という意味です。

ここで吸う側(患者さん)のことを見てみましょう。

成人男性は1回の吸気で約500mlの空気を吸うとされています。空気を吸い込む時間を1秒間とすると、500ml/秒の速さで空気を吸っていることになります。これを1分間に直すと

500ml×60秒=30000ml/分 → 30Ⅼ/分

つまり、成人男性は1分間で約30Ⅼの空気を吸っているということです。

「成人男性は1分間に30Lの空気を吸っている」と話しましたが、この人に「酸素2Lで流して(酸素を1分間に2Ⅼ流して)」と指示が出た場合、28Ⅼ足らない計算となります。この28Ⅼはどこから来るのでしょうか?

実は、足りない分は病室の空気を吸っているのです。

つまり、「酸素2Ⅼで…」という指示は、1分間に酸素を2Lの速さで流して、残りは空気を吸わせてください という指示だったのです。

ここで注意してもらいたいのが、これまでの話のベースが 成人男性 ということです。もちろん病院には高齢の患者さんもいます。小さいおばあちゃんが 1分間に30Lも空気を吸えるわけがありません(笑)

同じ 「酸素2Ⅼで…」 という指示でも、患者さんの体形や年齢で投与する酸素濃度が異なってしまうのです。

困りましたね…。重症な患者さんの中には酸素濃度を一定に保ちたいことが多々あります。そこで登場するのが高流量システムです。

高流量、低流量システム

高流量システム低流量システムの違いは、患者が必要とする1回換気量を超えるガスを供給できるか、できないかです。

高流量システムは、 患者が必要とする1回換気量を超える (30L/分以上の)高流量を流すことのできるシステムのことです。様々な患者さんに対して一定の濃度で酸素を投与できます。「ベンチューリーマスク」「ベンチュリ―ネブライザー(インスピロン®)」「ハイフローセラピー」などがあります。

詳しくは、「高流量システム(ベンチューリマスク、ベンチュリ―ネブライザー、ハイフローセラピー)とは」をご覧ください。

低流量システムは、それ以外の「酸素カニューレ」「酸素マスク」「オキシマスク」などのことです。

詳しくは、「低流量システム(酸素カニューレ、酸素マスク、オキシマスク)とは」をご覧ください。

  適応疾患
状態
特徴
高流量システム COPD

肥満低換気症

重症肺炎 etc…
二酸化炭素が蓄積しやすく、厳密に酸素濃度の調整が必要な場合
低流量システム 肺炎

心不全

気胸

肺塞栓症
etc…
酸素濃度を厳密に調整する必要はない場合

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